子育ての中で、食事の好き嫌いについての悩みは多いです。
それを解決するべく、様々な食事に関する育児書も発売されています。
その種類が多いことは、悩みが多いことと比例しています。
実は、子どもの食事については、それほど「悩む必要はない」ことが多いです。
それは、食事に限りません。
子どもの行動というものは、成長する体にとって必要なことも多く、理にかなっていると言えます。
子どもの行動は理にかなっている
子どもはむやみやたらに動きませんか?
汗だくになって駆け回り、夢中になって遊んでいます。
これらの行動は、子どもの体の仕組みから見てみると、実に自然なことであり、成長のためにはやらなければならないことなのです。
私たちの体に血液を送る働きをする心臓。
身体中に血液を送るには、心臓がポンプのように動いて血液を押し出しています。
でも、それだけでは不十分なため、身体の筋肉を動かすことにより、血管を収縮させて、血液循環の手伝いをさせています。
子どもの心臓は、大人に比べてまだまだ未熟です。
心臓の力だけでは全く足りません。
そこで、たくさん体を動かして、体中に血液を送らなければなりません。
だから、よく動きます。
もちろん、やらされているわけでもなく子ども自身無意識にやっていることですが、子どもの体はそのことをちゃんと知っているのです。
子どもの体というのは、合理的に働くようになっているのです。
子どもの好き嫌いは心配いらない
子どもというのは、無意識のうちに体を動かし自分の体に必要なことをしています。
これは、身体に必要な栄養を摂るという行為も同じなんです。
人間は食事で必要な栄養素を得ます。
好き嫌いをしてしまう。
たくさん食べられない。
それはその子の体にとってその行為が自然だから起こることです。
そう考えると、子どもの食事について深刻に悩む必要がないということがわかります。
食事についての悩みで一番多いのが好き嫌いの問題です。
野菜をなかなか食べてくれない。
牛乳が嫌い。
子どもはなぜ嫌いな食べ物があるのか
それは、その子の身体にとって今絶対に必要な食べ物ではないと無意識のうちに判断しているからです。
野菜嫌いな子どもは多いですが、逆に好きな野菜は何か?というレポートがあります。
それによれば、子どもの好きな野菜は1位から順番にみると、
さつまいも、とうもろこし、枝豆、ジャガイモ、キュウリ、カボチャ、トマト、ニンジン、ブロッコリー、大根という結果です。
甘みが強く、カロリーが高い野菜を、子どもは好んで食べることが分かります。
よく動く子どもはカロリーも当然必要とします。
人参が好きな野菜に入っているのに疑問を抱く方もいると思います。
昔は人参が嫌いな子どもがよくいました。
今の人参は昔と比べるとかなり甘くなり、食べやすくなっています。
また、カレーライスなどによく入っているので、野菜としても食べやすくなっているのでしょう。
では、子どもの嫌いな野菜はどうなっているのか。
嫌いな野菜は順番に、
ピーマン、水菜、ニラ、ナス、オクラ、ネギ、アスパラ、シイタケ、ゴボウ、筍となっています。
これらは総じてカロリーが低く、また薬味として使われることが多く、あくが強かったりします。
こうした野菜を好きだという子どもももちろんいますが、逆にそれらを食べないからと言って健康を害したり、成長の妨げになったりするものではありません。
もちろんいろいろな野菜を食べた方がいいのは当然です。
しかしながら、これらの野菜が嫌いで食べないからと言って心配したり、無理に食べさせようとしなくてもよいのです。
子どもはなぜピーマンが嫌いなのか
子どもの嫌いな野菜、食べたがらない野菜、残す野菜のトップが、ピーマンです。
クレヨンしんちゃんもピーマンが嫌いですね。
多くのママさんたちが、子どものピーマン嫌いを何とかしたいと、日々の料理に工夫を凝らしています。
でもでも、あのピーマンの味。
ママさんは自分が子どものころに大好きで食べていましたか?
ちょっと苦みがあるのに好き好んで食べましたか?
子どもの体が特に今、ピーマンを欲していません。
食べる野菜は絶対ピーマンじゃなければだめですか?
お子さんがピーマンのようなカロリーの低い野菜を食べなかったとしても、あまり心配する必要はありません。
ましてや、無理に食べさせようなどと思わなくていいです。
大人になれば不思議と様々なものが抵抗感なく食べられるようになります。
子どもが好きな食べ物
子どもはカロリーが高く、炭水化物を多く含むものが大好きです。
つまり、炭水化物、たんぱく質、脂肪の3つの栄養素が、子どもにとって必要で、必然的に子どもも食べようとします。
この中で一番子どもに摂らせたい栄養素は炭水化物です。
炭水化物を積極的に摂らせたいとママが意識しなくても、子どもたちはちゃんと、好んで食べてくれます。
その証拠に、子どもたちはいも類やご飯類が大好きですね。
炭水化物は大事ですが、この炭水化物は砂糖類にもたくさん入っています。
そしてそのことも、子どもの体は無意識にちゃんと知っています。
だから子どもは甘いお菓子が大好きです。
普段の食事で炭水化物を多く含む食品を十分にとっていないと、子どもはついつい、砂糖がふんだんに使われた甘いお菓子や飲み物にすがってしまいます。
子どもは、自分の体に必要なものを無意識にちゃんと理解しています。
そして本能的にそれらを選んで食べています。
だから子どもに嫌いな食べ物があってもあまり深刻に考える必要はないのです。
でも、食事でちゃんと炭水化物をとらないと、甘いお菓子に頼ってしまいます。
ここは注意するところです。
もちろん、いろいろな野菜を食べるように工夫したり、美味しく食べられるように料理したりするのはとても大切なことです。
ですが食べないからと言って心配したり無理やり食べさせる必要はないということです。
食べ残しが多い悩み
食べ物をたくさん残してしまう悩みも多いですね。
食べ物を粗末にしてはいけません。
御飯は一粒も残さず食べなさい。
食事の大切さを伝えることはとてもいいことです。
でも、食事を残したことで、頭ごなしに叱る必要はありません。
子どもが「ごちそうさま」なら、それが今の子どもの適量の食事です。
仮に食事の前にお菓子をいっぱい食べた後に食事を残すのもそれが今の適量なのです。
もちろん、御飯の前にお菓子を食べさす食べさせないはご家庭のルールの問題です。
あまり動かなかった日にお腹が空いていない当然です。
たくさん食べられる日とあまり食べない日ってありませんか?
その日の子どもの生活状況はどうでしたか?
あまり動かず、テレビばっかり見ていた日でもいつもと同じ量を食べている大人の方が実はおかしいのです。
子どもはちゃんと、大事なことを分かっています。
子どもは、自分の体に何が必要なのかもよく分かっています。
そしてちゃんと大事なものを選んで食べています。
自分に体に合った食べ方をしています。
大人が大人の事情で様々なことを押し付けることがないように、優しく見守っていきたいですね。